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大分家庭裁判所 昭和57年(少ハ)2号 決定 1982年5月31日

少年 G・Y(昭三七・八・三〇生)

主文

当裁判所が少年に対し昭和五七年(少)第五一六四号道路交通法違反保護事件につき昭和五七年三月一五日なした「少年を大分保護観察所の保護観察(交通短期)に付する」との決定を取消す。

理由

少年は、昭和五六年一二月五日午後七時五〇分頃佐伯市○○区○×番地の×マルシヨク○○店先路上において、Aから借用した普通乗用自動車(大分××た××××号)を無免許で運転中、道路端の道路標識及び電柱に衝突させたとして昭和五七年三月一五日当裁判所において道路交通法違反(無免許運転及び安全運転義務違反)保護事件により主文掲記の保護観察を受け、現在保護観察中である。

ところで、当庁昭和五七年(少)第八一五号犯人隠避等保護事件及び同第五七八四号道路交通法違反保護事件の各記録によると、主文掲記の事件は少年が友人B(昭和三七年一一月二九日生)と運転を交替中犯したものであつたこと、少年は借用中の自動車を損傷させたAへの気兼ねと友人Bへの同情心から同人の身代りとして○○警察署に出頭し自己が運転中前記違反をした旨述べ、また当裁判所の審判期日にも少年が単独で出頭し同様の供述をしたため前記保護処分がなされたこと、その後Bの被害弁償の支払いが遅れたため、昭和五七年四月一五日少年は車の持主Aと共に○○警察署に出頭し自動車を運転していたのは少年でなくBである旨述べたことが認められる。

上記認定の事実によると、少年は主文掲記の道路交通法違反を犯していないことが明らかである(なお、少年は上記事実にかんし犯人隠避、Bは道路交通法違反に問われ、昭和五七年五月二一日少年に対し保護観察決定が言渡された)。

そうすると、主文掲記の保護処分決定は、裁判所が少年に対し審判権がないのになしたものであるから少年法第二七条の二第一項により取消すこととし、主文のとおり決定する。

(裁判官 三村健治)

〔参考〕 報告書<省略>

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